★ 「あきこカフェ」へようこそ!
高谷さん、お飲み物は何になされますか?
= それではホットミルクティーをお願いします。
★ こんにちは、高谷さん。お久しぶりです。
高谷さんと共演させて頂いて、早いものであれから3年が経つんですね。
= そうですね。時間が経つのが早くて驚きます。
あの共演は鮮烈に憶えております。
確かあき子さんも帰国間もなくで、ドイツの空気感をたくさん感じさせていただきました。
お客様も喜んでいただき素敵な演奏会になりましたね。
★ どういった経緯で指揮者になられたんですか?
= 堀川高校音楽科でトランペットを専攻しておりましたが、
本学の卒業生で佐渡裕さん小泉和裕さん蔵野雅彦さんなど優秀な指揮者が沢山おられましたので、先輩方に強烈に憧れました。
★ 一番印象に残っている演奏会ってありますか?
= ウクライナでのデビューの演奏会ですね。
初めてのプロオーケストラはウクライナ・チェルニーゴフフィルハーモニー交響楽団でした。
ベートーヴェンの7番を指揮させていただきました。全て振り終わり、客席を振り返った瞬間スタンディングオベーションでした。
私はその場に立ち尽くし、涙が出るほど感動しました。
★ それは感動的ですね。
指揮者になっていなければ、今は何をされていると思いますか?
= 指揮者です。あべこべの答えですみません。
指揮者になることしか考えていないという事です。
逆に言うとそう考えなければ自分の憧れの夢をつかむことは大変難しいと思うのです。
中学の頃体操選手に憧れた時期はありましたよ(笑)
★ 一つの作品を仕上げていく時、指揮者として一番何が難しいですか?
= 難しいことは何もないです。
ただリハーサルがうまくいかず、自分の想いが折れそうになった時でも、
自分を信じることが大切です。そう思えるくらい準備をすることだと思います。
いつもいつも音楽のことを考えているわけではありません。
ただ、しっかり楽譜を見るように心がけています。
★ 指揮を通じて、社会へメッセージを伝えるとしたら、何を伝えられますか?
= 音楽には聴く人に「生きる力」を与える底知れるものがあると感じています。
僕自身、音楽のおかげで素晴らしい経験をし、素晴らしい仲間と出会い、素晴らしい人生を体験しています。一つの演奏会、一つの音は小さな一歩ではありますが、毎回一音入魂の気持ちで舞台に立っています。
なぜなら、舞台ではその人の全てが見えるからです。
そしてそれはお客様に顕著に伝わります。
舞台はある意味とても怖いのです。だから毎回、全力で立つのです。
★ ゲンかつぎみたいなものってありますか?
例えば本番前は必ずこれを食べるとか?
= 食べ物は無いですが、毎回していることはあります。
指揮者はどの演奏家よりも最後に舞台に登場します。
要するに1人で登場するわけです。
下手の袖でいつもじっと集中して、親や家族、親戚をはじめ、今までお世話になった先生方、そして、ご一緒させていただいたソリストやオーケストラの皆様を頭に思い浮かべます。
そして、最後に「全ての皆様に感謝しています。」と言って舞台に飛び出します。
そうすると1人で指揮台に立っている感覚にはなりません。
「ここまで支えてくださった皆様のおかげでここに立てるんだ。」
と深く息を吸い込んで指揮棒を構えると、震えそうな指揮棒がピタっと止まり音楽に集中できるのです。
★ オフの時は、何をされていますか?
= そうですね。最近は家庭菜園ですね(笑)
なすびやトマトを植えました。
★ 夏が楽しみですね(笑)
好きな食べ物は?
= プリンや大福かな。
★ 甘党なんですね。
高谷さんのストレス解消法を教えて下さい。
= 料理を作ることです。
特に煮込み料理が好きです。ボルシチも作ります。
★ 料理もできる高谷さん、自分の性格を一言で言うと?
= 常に明るい。ですね。
★ 最後に、指揮者の魅力についてお聞かせ下さい。
= 指揮者の魅力は一つです。それは自分の想いが伝わる喜びです。
しかし、それは、指揮者サイドからの魅力です。
お客様から見た指揮者の魅力とは、「その人柄」ではないでしょうか。
まだまだ未熟な自分ですのでその「人柄」に磨きをかけて皆様に愛される指揮者になりたいと思っております。
あき子さんも、どうぞ応援して下さいね。
★ もちろん応援していますよ。
今日は有難うございました。
是非また、「あきこカフェ」へお越し下さいませ。
= もちろんです。あき子さんは素晴らしいヴァイオリニストです。
是非ともまたの共演を楽しみにしております。
こちらこそありがとうございました。