★ お飲み物は何になさいますか?
= コーヒーを・・・って言えば普通すぎるので、「クリームソーダ」をお願いします。
★ クリームソーダ、お好きなんですか。
= グリーンの中に炭酸の泡。夏をイメージするドリンクですし、幼少期にも飲んだせいか、飲む度に、心をピュアにしてくれるドリンクです 。
アイスクリームが溶けて、グリーンの炭酸水に交われば、人はすぐに気づくのに、南極の氷が溶けて、海水となっても、人は無関心。
そう考えれば、アイスクリームは人そのもの。
それを浮かべてくれるグリーンの炭酸水は、大きな海ですね。
ひとつのグラスの中に、この地球の縮図を感じますね・・・。
★ 想像力が豊かな畑さん、クリームソーダのアイスクリームで、熱く語って頂きありがとうございます(笑)。
今回「みらいプロジェクト」をプロデュースするきっかけは?
= 振り返れば2007年、我が母校・加古川北高等学校が創立30周年を迎えました。
私はその式典へ、当時、加古川青年会議所の理事長の職にあった関係から出席させて頂きました。
その式典でバイオリンを演奏されていたのが嶽﨑さんでしたね。
★ そうでしたね。
= 当時、北高・前校長の三上先生から嶽﨑さんを紹介され、以降、嶽﨑さんに青年会議所での青少年育成のお話を頻繁にさせて頂きました。
その中で、是非ともプロの音楽・芸術の御力をお借りして、いつか事業を行いたいと考えたのが発端です。
人の出逢いって、不思議なものがありますね。
★ そうですね。
人との出逢いは不思議なものを感じますし、私も沢山の方々に支えられて今の自分があると、日々感じることがあります。
= それは、どんなことですか?また、どんな時ですか?
★ えっ・・・。
お話すれば長くなりますし・・・と言うより今回は畑さんのお話を色々と伺いたいのでまたの機会に・・・。
= そうでしたね、失礼しました。
まあ一概に青少年育成を目的とした事業は、多種多様にございます。
目で見て感じるもの。体を使って感じるもの。ディスカッションして感じるもの等、色々あります。
その観点から言えば、今回の「芸術感賞会・Meet the Real」は、単なる鑑賞会ではなく、目で見て、耳で聞き、そして感じて頂く、文字通り「感賞会」としました。
★ なるほど。「観」と「感」では、だいぶイメージが変わりますね。
= そして、私の中学高校時代と比べてれば、最近の中学生や高校生は特に忙しい様に思えます。
忙しいことは良いことですが、「忙」と言う字は、「心を亡くす」を意味します。
そんな学生に、芸術の力を借り亡くしたものを埋めることに留まらず、その次の一歩に繋がるものを与えられればと考えます。
現在はデジタル時代。
多くのものが便利な時代。好きな曲、気になる歌もパソコンや携帯電話でダウンロード。
高音質で高音源。デジタル時代の今なら、もはや当然のこと。でも、ライブは違います。
その場の空気や臨場感、曲のエピソードなど、五線譜に載っていない感動があると考えます。
その「リアルな席」へ、大人になる前の中学生や高校生をご招待したく考えています。
★ 「五線譜に載っていない感動」って、素敵なフレーズですね。
= そうでしょ。でも、そこを嶽﨑さんに表現頂くのですが・・・。
★ そうでしたね(笑)。
= それだけでは終わらず、その感賞会を通じて人と人の関わりや絆、更に、立志精神を発掘できればとも考えています。
★ 立志精神の発掘とは?
= 志を立てること。
それが立志を意味しますが、将来の目的を定めて、それを成し遂げようとするきっかけのひとつとなればと考えます。
ただ、嶽﨑さん同様に、音楽家を志して下さいと言うのではありません。
嶽﨑さんは3歳からバイオリンを手にされ、幼少期早くから将来の目的や成すべきことに向けて直向に取り組まれ、現在はプロとして在られます。その姿勢や精神を、青少年の皆様に感じて頂ければと思います。
それも、沢山の人の愛や協力を得て、この世は成り立っているとことも、気付いて頂ければ嬉しいですね。
★ たくさんの人の愛や協力。私も身にしみてわかります。
= こんな話があります。
人がこの世に生まれ出でるということは、無数の人の愛や想いを受け、この世に出でるということ。
人がこの世を生きるということは、その頂いた無数の人の愛や想いを、別の誰かにお返しするということ。
そのお返しする旅路を「人生」と呼ぶそうです。
「頂いてお返しする」生きとし生けるものの永遠のテーマですね。
★ 素敵なお話ですね。
クリームソーダをオーダーされてから、まさかこのようなお話に展開するとは想像できませんでした。
= え・・・。
★ 警備会社を経営されていますが、「警備業界と音楽」、何か繋がる部分ってありますか?
= 犯罪や事故を未然に防止し、平穏な環境を提供することが業界の務めですが、雑駁に言いますと「やすらぎ」を与えることです。
弊社業界とこの部分が音楽に繋がる部分だと思います。
人はこの世に生を受けるときには、母体内で、初めて「やすらげる音」を耳にします。
目で物を見る以前に、口で話す以前に、耳で音を聞きます。
それが人として最初に聞く音であり、音楽なのでしょうね。
喜びを増徴させる音楽、怒りを誇示する音楽、哀しみを浸透さす音楽、楽しさを分け合う音楽・・・
音楽って、感情を表現さすには、不可欠なものなんですね。
水や空気、それらと寸分違わない存在だと思います。
★ 音楽で世界や社会が救われる事もありますものね。
= そうですよ。歴史を辿れば、時代が移り変わる所には、必ず登場人物が居ます。
そして、そこには様々なドラマがあります。
同時に、その境遇を表し映し出す音があり、そして音楽があります。
よく何年か前の曲が流れるとその時の自分、その時の自分の心の中、また、その時の「風の香り」まで呼び起こすことってありませんか。
★ その時の風の香り・・・なるほど~。
= 「この音楽を聴きなさい」って、無理やり聴かされるよりは、好きな音楽を自然と自ら聞き、楽しみますよね。
だから音を楽しむと書いて「音楽」って言葉なんですね。
でも大人に成るに連れ、自分が人生の岐路やターニングポイントで迷ったり、悩んだりするとき、その音楽は自分を楽にしてくれるんです。
楽しむ「音楽」から、自分を楽にしてくれる「音楽」に、人の成長と並行して変貌していくんだと想いますよ。
★ 今回は曲目も全て畑さんご自身で構成して下さいましたが、どういうプログラミングに?
= 嶽﨑さんは、本場ドイツでの演奏経験からあらゆるクラシック音楽に触れられて、それを多くの人々にお伝えされたいことでしょうが、今回は、「誰しもが聴いたことのある曲」「誰しもが知っている曲」を厳選して構成しました。
クラシック=難しい。
そんなイメージは一切感じさせない、素敵なひと時を提供できればと考えております。
★ 松風ギャラリーホールを選んだ理由は?
= 同じ加古川で言うなら、アラベスクホールのようなもっと大きなスペースでの開催という選択肢もありました。
ただ、今回の趣旨や目的を考えると、中高生が、普段の学校生活で出逢うことの少ない芸術分野、それもプロのクラシック。その臨場感や空気、また奏者が楽器に触れるライブ感、
さらに言うなら息使いまで感じ取れる密着したスペースで開催したいと考えました。
そのスペースを考えた時、直ぐにイメージ出来たのが松風ギャラリーさんです。
あえて、目指すキャパを考えた時、それを実現するには良いホールですし、とても素敵なホールですしね。
★ 子供達に感じてもらいたいことや、目指されることは何でしょうか?
= こちらから「○○を感じて頂きたい」と言えば、半ば大人の傲慢に繋がり兼ねないので、特に申し上げることはありません。
ただ、「十人十色」と言う言葉がありますが、今回は「十人十音」でしょうか、それぞれの想いや感じ方があることだと思います。
それらを大人に成る前の青少年少女時の脳裏に置いて、次の一歩を踏み出すことに繋がれば嬉しいですね。
★ なんかロマンチックですね。
= そうでしょ!
★ ・・・撤回します(笑)
「みらいプロジェクト」の名前の由来は?
= 「み」みんな(地球上の生きとし生ける全てのもの)
「ら」ラブ・トゥゲザー(愛しあおう)
「い」いい笑顔で、いい世界
★ そうだったんですか。
= 実は、いま考えました。
でも、「みらい」を考え、「明日のために 今日できること」は、このプロジェクトの信条であり、行動規範、言わばルールのようなものでして、常に堅持しています。
★ 畑さんがオーケストラの楽器を演奏するとしたら何の楽器が合うと思いますか?
= 嶽﨑さんのようなバイオリンは似合わないのは確かですね。フルートやオーボエも似合いませんね・・・。
★ 見た目は関係ないですよ。
= ちなみに、小学校の運動会のとき、鼓笛隊ではシンバルをしました。
一人だけの楽器って、子供ながらに何か優越感がありました。
★ そうでしたか。
= でも、やっぱり指揮者をしてみたいですね。
★ きっとおっしゃると思ってましたよ(笑)。
= お察し頂き、感謝です(笑)。
★ その理由は?
= オーケストラって、個々奏者の集大成。皆それぞれに想いを持って演奏されますが、そこへ「風を送る」のがコンダクターって感じでしょうか。バイオリン、ピアノ、チェロ、コントラバス・・・
それぞれの楽器、それぞれの奏者を色に例えると、ステージはパレットで楽器奏者は鮮やかな絵の具でいっぱい。
皆それぞれに素敵な色を放ちますし、交わってまた別の素敵な色を生み出したりします。
その特性を、さらに引き出して一枚のキャンパスに描くようなはことって、オーケストラのコンダクターに留まらず、今のこの世界、この地球が希求していることと相通じる気がして成りません。
何か、大きな可能性と、大きな使命すら感じますね。
★ お好きな音楽のジャンルは?
= ポップス、ロック、ジャズ、レゲエ、オペラ、スクリーンミュージック、オールディーズ、ハワイアン、歌謡曲・・・
こころを刺激してくれる音楽は何でも聞きますよ。もちろんクラシックも。ちなみに最近買ったCDは、
ポールポッツのデビューアルバムです。辻井さんのピアノも魅かれますね。
★ 今回の事業は、青少年を対象とのことですが、その頃の畑さんは、どんな曲を聞かれていましたか?
= いいご質問ですね。佐野元春ってご存知ですか。詞、曲、そして、彼の考え方やライフスタイルが好きですし、ずっと昔から尊敬しています。「マンハッタンブリッジにたたずんで」って曲がありますが、色々と物事を考えたり、岐路やターニングポイントに立ったとき、その曲をよく聞きましたし、今でも聞きます。
実際にニューヨークへ行ったとき、そのCDを持って、マンハッタンブリッジの麓で聞いたことがありますが、感慨無量でした。
★ 小さい頃の夢は?
= 当時は「総理大臣になること」って言っていましたが、それは夢や目的ではなく、単なる手段のひとつだと、大人に成るに連れ、解ってきました。
総理大臣に成る、成らないはともかく、隣人と手を繋ぎ、世界へ発信し、そして世界を巻き込み、全世界中から戦争や殺戮、そして貧困を撲滅することは、未だ実現すべき使命と感じています。
★ 正義感が強い畑さん、趣味は?
= 周りから見れば、無趣味と言われるかもしれませんが、新しいビジネスやサービスを考えることがひとつの趣味ですね。
ただ、決して単なる個人や会社の私利私欲を追及するのでなく、「社会に貢献できる」と言えば、偉そうに聞こえますが、 次代を創る青少年のため、或いは、時代を創って来られた先達のためになる事業の構築を、いつも考えています。
まあ、それが「みらいプロジェクト」の根本のコンセプトでもありますしね。
★ そうだったんですか。好きな言葉は何ですか?
= 好きな言葉は「至誠一貫」、ついでに、嫌いな言葉は「曖昧」です。
嘘偽り無く、一貫して誠実であること。それもグレーでなく、白か黒、或いは右か左、上か下、そんな考え方ですし、そんな生き方の私です。
★ 8月23日のみらいプロジェクト「 Meet the Real 」について、皆様にコメントお願いします。
= 大人に成る前のこの夏、中学生・高校生の皆様を「リアルな席」へとご招待させて頂きます。
皆様のご応募を、是非ともお待ちしております。
◎各学校を通じてのお申し込みとなります。
◎お問合せはメールで:mirai-project@secare.co.jp まで
今回、共演頂くピアニストの水垣さんは、嶽﨑さんとは、ドイツでよくご一緒に演奏される方です。
次回の「あきこカフェ」には、是非ともピアニストの水垣直子さんをご推薦致します。
★ それでは次回はピアニスト・水垣さんにご来店して頂きましょう。
では畑さん、最後にみらいプロジェクトの「未来」について、お聞かせ下さい。
= みらいプロジェクト実行委員会では、決して子供たちに「夢を持て!」等と、説教に似た講釈は致しません。
ある「きっかけ」、ある「出来事」、そして、ある「出逢い」が、ひとつのターニングポイントとなり、
そこから子供たちは自ら「夢」を抱き、進んでいき、立志の精神を発掘することが肝要であり、同時にそれが大人の務めだと考えています。
ステージがあるなら、その登壇の仕方を教えるのではなく、登壇するには、自らどう行動すべきかを考えさすことです。
今の時代、子供たちは夢を持たないと、メディアは報じることが少なくありません。
でも、子供たちは「夢」を持つことを諦めたのではなく、「夢」を持つことを、少し忘れているのかもしれません・・・
忘れたことは、思い出すことが出来ますし、その一歩を踏み出す仕掛けを考えるのも、やはり大人の務めです。
みらいプロジェクト実行委員会では 、この国の「次代」を担う青少年の目を輝かせること
この国の「時代」を創ってこられた先達へ安寧感謝の意を表すこと
それらを通じて、誇り高き人間づくりと、心豊かなまち、そして国づくりを、本会の目的としております。
活動は、今回の第1回をスタートに、第2回、第3回・・・と継続させ、
また、東播磨、兵庫県、近畿地方、西日本、そして日本、
また、海を越え、空を渡り、異国の地へも、我々の想いや活動を広げて参りたく考えております。
★ 壮大なスケールですね。私も出来ることがあれば応援させて頂きます。
今日はありがとうございました。また是非「あきこカフェ」にお越し下さい。
= 次はミックスジュースをオーダーします。実は、ミックスジュースには、さまざまな果実と・・・
★ まっ、また、今度お聞きします(笑)。ありがとうございました。
= ありがとうございました。